(第42話) 梅一輪 一輪程のあたたかさ
この俳句は、江戸時代の俳人服部嵐雪の作品で余りにも有名な句です。
私は、長年この句を間違って解釈をしておりました。
梅の花が一輪一輪咲く(開く)ので暖かくなる、つまり春が来ると理解していたのですが、ある書物ではこの句を「きびしい寒さの中で梅が一輪咲き、それを見るとほんのわずかではあるが、一輪ほどの暖かさが感じられる」との意味であると解釈されておりました。
梅の花が厳しい寒さの中で開花するさまは、人生にたとえられると思います。
私たちは、苦しい時、悲しい時、寂しい時に厳しい寒さの中に咲く「梅一輪」のけなげさと暖かさを感じていただければと思います。