(第22話) うらを見せ おもてを見せて ちるもみじ
無邪気に子どもたちと遊びながら、書や詩歌をたくさん残した江戸時代の良寛さんの一句です。良寛さん74歳の句といわれております。
不治の病にかかり『死』を悟った良寛さんに、最後まで看病に当たった貞心尼様が「生き死にの 界はなれて 住む身にも さらぬ別れのあるぞかなしき」と歌を詠まれたのに対して、お返しになったものと言われております。
貞心尼様は、仏の世界でまた会える教えの中で、日々過ごしていても『別れ』は悲しく辛く寂しいものだと嘆いたのではないでしょうか。
良寛様の自然体の生きざまを表現された一句です。