(第35話) 道は人に遠からず
『道』とは、人間が人間になる道で、ここで述べる『道』は道徳又は倫理をさします。孔子は、道は人間とともにあるものだと言われ、人情と離れていては、真の道ではないと教えておられます。
孟子も「道はちかくにあり」と、又、弘法大師(空海)さまは『般若心経秘鍵』の著で「それ 仏法は遙かにあらず 心中にして即ち近し」とおおせになられております。このことは仏様の教えは遠くにあるのではなく、私達の心にあり真理もまた心にあるのです。
『正に道は人に遠からず』なのに、私達はいたずらに遠くに道(道徳)を求め、さまよっていないだろうか。