大規模土石流が発生した静岡県熱海市の被災地では3日、市内の各所で被災者らによる献花が続き、28人の犠牲者に思いを寄せた。遺族らは、違法な盛り土が一因とされる土石流の真相解明や早期の復興を求めており、複雑な感情を抱いて発生4年を迎えた。
母陽子さん=当時(77)=を亡くした被害者の会会長瀬下雄史さん(57)=千葉県=は「苦しかっただろう。天国で穏やかに暮らして」と手を合わせた。土石流の起点となった土地の現旧所有者や県市への損害賠償請求訴訟は長期化。「責任を追及し再発防止につなげる」と誓った。
同市紅葉ガ丘町の自営業関沢浩さん(58)は「責任の所在をはっきりさせてほしい」と訴えた。
大規模土石流の犠牲となった瀬下陽子さんの自宅跡に供えられた花=3日午前、静岡県熱海市