毎年恒例の古書オークション「明治古典会 七夕古書大入札会」の報道陣向け内覧会が3日、東京古書会館(東京都千代田区)で開かれ、三島由紀夫がノーベル文学賞の受賞に備えて準備したとされる「春の雪」の試作本などが公開された。
「春の雪」の通常の初版本は1969(昭和44)年刊行だが、試作本の奥付では発行日が「昭和四十三年十月三十日」となっており、毛筆での署名が入っている。
三島由紀夫文学館(山梨県山中湖村)の佐藤秀明館長によると、試作本は「ノーベル版」と呼ばれ、研究者やマニアの間で知られた存在だという。
4、5日は一般公開され、6日の入札会には業者のみ参加できる。
「明治古典会 七夕古書大入札会」で公開された三島由紀夫の「春の雪」の試作本=3日午後、東京都千代田区