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【独自】EU、ウナギ全種の規制提案検討 ワシントン条約で

更新日時:2025年4月23日(水) PM 09:28

 絶滅の恐れがある野生生物の国際取引を規制するワシントン条約を巡り、欧州連合(EU)が、食用のニホンウナギを含むウナギ類全種を規制対象とする提案を準備していることが23日、関係者への取材で分かった。11~12月にウズベキスタンで開かれる第20回締約国会議で仮に提案が認められれば、日本で消費するウナギの輸入や流通に影響が出る可能性がある。

 条約では絶滅の恐れがある生物を「付属書」に掲載。「付属書1」は商業目的の国際取引は禁止、「付属書2」は輸出国に許可書の発行を義務付ける。EUはニホンウナギやアメリカウナギ、東南アジア産のビカーラ種など亜種を含めた全19種類を付属書2の対象とする方針。生きた稚魚のシラスウナギや成魚だけでなく、かば焼きなどの加工品も対象になる。

 関係者によると、提案自体が見送られる可能性も残るが、EUは6月上旬までに方針を決め、正式提案する可能性が高い。承認には締約国会議で投票国の3分の2以上の賛成が必要で、現時点での情勢は不明だ。

 ニホンウナギ(海部健三・中央大教授提供)