文字サイズを変更する
小
中
大
 

全国のニュース

4州占領固定化で停戦模索 米和平案、ロシアも譲歩

更新日時:2025年4月23日(水) PM 07:09

 【モスクワ、キーウ共同】トランプ米政権が主導するウクライナ停戦交渉の概要が22日、米英メディアの報道で分かった。ロシアのプーチン大統領は侵攻後に併合した東部・南部4州を巡り、現在の前線で攻撃を停止し、ウクライナ側が統治する地域の領有を断念する案を米側に伝達。米国は新たな和平案に、4州の大部分でロシアの占領を事実上認めると盛り込んだ。実現すれば占領が固定化することになる。

 4州の完全支配を目指してきたロシアは、トランプ大統領の圧力を受け譲歩を示した形。ただ米国の和平案は、ロシアが2014年に併合した南部クリミア半島の領有権承認や、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟断念など、ウクライナが強く反発する内容も含み、交渉は難航しそうだ。

 米英仏独とウクライナは23日、ロンドンで和平問題を協議。ウィットコフ米中東担当特使は今週にもモスクワでプーチン氏と会談する。欧州側は、プーチン氏が譲歩を示すことで米国を引き寄せ、ウクライナに厳しい和平案をのませようとしていると警戒している。

 22日、ロシア・モスクワで宗教関係者と会談したプーチン大統領(タス=共同)