乾いた田んぼに種もみをまく「乾田直播」と呼ばれるコメの栽培方法に対し、政府が補助金による普及支援に乗り出すことが13日、分かった。苗作りや田植えの手間が要らないためコストが抑えられ、規模拡大や需要に応じた増産を後押しすることが期待できる。水田が放出する温室効果ガスの削減効果も注目される。2027年度に予定する水田の直接支払制度見直しに関連し支援の対象に盛り込む考えだ。補助金支給の仕組みや単価は今後決定する。
現在主流のコメ作りはビニールハウスなどで種を発芽させ、苗にしてから田に植えるのに対し、直播は種もみの状態から育てる農法。水を張った田に種をまく場合は湛水直播、水を抜いた田の場合は乾田直播と呼ばれる。農林水産省によると、乾田直播は全国の1万9678ヘクタール(23年産)で採用されており増加傾向だが、全国のコメ栽培面積に占める割合は約1・5%にとどまる。
直播は面積が広くても労力をかけずに作付けできるため、近年はメリットが大きい大規模な農業法人を中心に広まりつつある。
乾いた田んぼに入る小泉農相(中央)=7月、埼玉県杉戸町