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生活保護減額、補償検討 専門委、初会合は言及なし

更新日時:2025年8月13日(水) PM 11:16

 2013~15年に生活保護基準を引き下げ、最高裁に違法と認定された厚生労働省は13日、専門委員会で解決策の検討を始めた。原告側は生活保護費が減った全員に、減額分の全額を即時に追加支給する補償を求めており、受け入れるかどうかが最大の焦点。ただ敗訴から1カ月半の空白期間を経ての初会合となった上、この日は補償を巡る発言がないまま終了した。異例の展開となっている。

 関係者によると、早ければ年内に結論を出す。早期に補償するには年末に編成する26年度予算案に必要額を計上する必要があるためだ。厚労省の鹿沼均社会・援護局長は会合の冒頭で「最高裁判決への対応は、非常に重要かつ難しい議論になる」と述べ、委員に丁寧な審議を求めた。初会合は判決の説明と質疑が中心だった。次回は今月下旬に開く予定。

 厚労省は13~15年、物価下落を反映する「デフレ調整」を根拠に、生活保護基準を段階的に引き下げた。受給者の窓口となる自治体は、この基準に沿って保護費を減らした。

 開かれた専門委員会の初会合=13日午後、厚労省

 

 生活保護基準を引き下げ、最高裁に違法と認定された厚労省の前で、抗議活動する原告ら=13日午後