東日本大震災と東京電力福島第1原発事故は11日、発生から14年となった。岩手、宮城、福島3県の被災地などでは、地震発生時刻の午後2時46分に遺族らが一斉に手を合わせ、犠牲者のために祈った。被災地では人口減少や産業再生の遅れといった課題に直面する中、震災の教訓の継承に誓いを新たにした。
津波で児童ら84人が犠牲になった宮城県石巻市の大川小では発生時刻に合わせ法要が営まれた。献花した同県東松島市の佐藤英夫さん(54)は長女未空さん=当時(12)=と長男択海さん=同(9)=を亡くした。震災後に生まれた次男が択海さんの年齢に追い付き「お兄ちゃんといた時間より長くなった。2人には、成長を見守ってほしいと伝えた」と話した。
福島市で開かれた福島県主催の追悼式に出席した石破茂首相は「防災庁を設置し、世界一の防災大国にすべく力を尽くす」と述べた。
2月26日に大規模山林火災が起き、一部住民が避難生活を強いられている岩手県大船渡市でも黙とうがささげられた。
東日本大震災から14年、地震発生時刻に合わせて黙とうする人たち。奥は「奇跡の一本松」=11日午後2時46分、岩手県陸前高田市の高田松原津波復興祈念公園
東日本大震災から14年となり、宮城県南三陸町の旧防災対策庁舎前で地震発生時刻に合わせて黙とうする人たち=11日午後2時46分
福島県主催の追悼式で式辞を述べる石破首相=11日午後3時、福島市