62・和室での転倒予防対策 掲載日2005/9/17
トイレの入り口に付けた縦の手すり
 足の悪い母が和室で転倒して困っていることを、第60回で書いたところ、読者から対処方法などについてお便りをいただいた。実際に介護などを体験した方の貴重なご意見で、とても参考になった。同じような悩みを抱える人もいると思うので、紹介したい。
  「すぐに畳をはがして、じゅうたんにし、ベッドやテーブルを置いて、ベッドに手すりとなるサイド枠を付けてはいかが」と提案してくれたのは、渋川市のTさん(50)。85歳の母親と同居している方で、洋室にリフォームし、板の上にフェルトとじゅうたんを敷くと、「冬も暖かい」とアドバイスしてくれた。
  前橋市のIさんは、軽度の右半身まひがある娘の事例を紹介。「畳に座る、立ち上がるは、ひざに負担がかかり、ますます症状が悪くなるようです。いす、ベッドの使用が良い方法と、わが家でも使っています」と助言してくれた。
  家の中は畳の部屋だけで、小型のシルバーカーを押して移動しているという。介護用品店には、滑り止め付き靴下もある、と情報をいただいた。
  89歳の父親と同居する高崎市のIさんは、ベッド脇に置く移動式の手すりを利用していると、写真付きのお便りをいただいた。
  父親は、ベッドから立ち上がる際につかまるところがなく、たびたび転倒。ベッドにぶつかり、頭を切ったこともある。置くだけで設置できる移動式手すりがあることを知り、10万円を超える高額商品だったが、購入。「転倒もなくなり、予想以上に効果があった」と推薦してくれた。
  Iさんは、母親が転倒、骨折したのが原因で亡くなっており、「転倒・骨折は老人にとって大きな事故になる」と警告してくれた。私は、ことの重大性を痛感した。早急に転倒予防の対策を取ろうと思う。

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