55・アスベスト不使用を確認 掲載日2005/7/30
公共施設ではアスベスト調査が始まっている=藤岡市
 アスベスト(石綿)による健康被害が広がっている。主にアスベスト製品を扱う工場の従業員を中心にがんの一種である中皮腫、肺がんなどで大勢の死亡者が出ている。
  一連の報道でアスベストが屋根のスレートや断熱材など、身近な住宅建材に多く使われていたことも分かった。アスベストの粉じんを少量吸い込んでも発症する可能性があり、生活する上で無関心ではいられない事態になっている。
  国の対策も遅く、アスベスト製品(含有率1%超)の製造・使用が禁止されたのは昨年10月。わが家の着工は同6月だったので、アスベスト製品が使われている可能性もある。これは確認しなければならない。
  工務店に聞くと、最近の家でアスベスト使用の可能性が高いのは屋根材と壁の防火サイディング。わが家にも防火サイディングを使っているが、社長は「当社は以前からアスベストを一切含まない『ゼロアスベスト』製品を使っており、心配ない」と説明した。
  一方、「ノンアスベスト」と呼ぶ、アスベストを少量含む製品は、最近まで流通していたという。一般的に「ノン」と聞けば、消費者はアスベストを使っていないと理解する。消費者を誤認させるような使い方は好ましくないと思う。不安な人は施工業者に確認しておいた方がいい。
  建設業界では、アスベスト製品を現場で切ったりしていた作業員の健康被害も懸念されている。わが家の建築に携わった大工をはじめ、多くの職人の健康状態が大丈夫か心配だ。
  厚生労働省の資料によると、アスベストは1970年から90年にかけて多く輸入され、この時期の建築物に多く使用されている。今後、その建築物の解体が増加する。解体現場近くの住民は、業者がアスベストの粉じんが飛散しない対策を講じて工事しているか注意したい。
  悪質リフォーム詐欺問題では、早くも「アスベスト調査」と称して高齢者宅を訪れる業者が現れている。消費者は常に身の回りの危険に気を付けていないといけない時代になった。

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