46・許せない悪徳業者 掲載日2005/5/28
「昼間1人でいると怖い」と話す高齢の母
 埼玉県富士見市で認知症の老姉妹が、訪問リフォーム業者に不要な工事を繰り返されて全財産を失うという問題が起きた。県内でも、桐生市の86歳女性が高価な布団を買わされ、販売会社の男2人が今月9日に逮捕された。高齢者、認知症という弱い人間を狙った、許せない行為だ。
  新築のわが家で同居を始めた73歳の母は「昼間一人でいるのが怖い」と今でもおびえる。沼田市で一人暮らしをしていた5年間に、何度も訪問販売で布団や消火器を買わされていた。
  最も悪質だったのは、男2人組による40万円の布団販売。母が「お金がない」と断っても玄関に居座り、「年金があるだろう」と契約を迫った。2人組は、母を車に乗せて郵便局へ。母が窓口で貯金を下ろす際、事情を聞いた職員が警察に通報。警官が駆け付けると、2人組は逃げていったという。
  布団セットを買わされたときも、男2人組が訪れた。夜になっても帰らず、母は仕方なく30万円で購入。翌日、高崎市に住む姉が布団メーカーM社と交渉し、一定期間内なら契約を解消できるクーリングオフ(訪問販売は8日間)の手続きをした。後日、布団を回収にきた男は帰り際に家の壁をけ飛ばしていった。
  消火器も3回買わされた。いずれも男の販売員が一人か二人で訪れ、一度に2本買わされたこともある。
  常々、母には「何かあったらすぐに電話を」と言っていたが、「怖くてできない」のが現実。私や姉は対策を練り、「誰が来ても玄関を開けない」ことを徹底させた。庭先から入れないように家の周りにネットも巡らせた。
  新築のわが家には、来訪者を画面で確認して応答できるテレビドアホンを設置したが、高齢の母は使い方を覚えられないでいる。母が一人の場合は現在も「玄関を開けない」方法を実践中だ。しかし、これでは近所付き合いや荷物の受け取りもできず困っている。防犯設備やシステムで何か良い方法はないものか。

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