45・高い退去時の清掃代 掲載日2005/5/21
アパート明け渡しで部屋を点検する管理会社の社員
 アパート退去時に敷金を全額返還してもらえるだろうか?
  敷金問題は、賃貸住宅のトラブルとして、よく新聞などで報道されている。私も家づくりを始めたときから、自分たちの場合はどうなるか、関心を持っていた。
  3月中旬、家の引き渡し、引っ越しに続き、翌日はアパートの明け渡しを行った。わが家(アパート)の敷金は、家賃1カ月分の6万2000円。明け渡しに立ち会った管理会社の担当者は「5年住んだ割にはきれいに使っている。敷金の精算は、ルームクリーニング代の2万6000円だけで済みそうです」と話した。
  畳やクロスの張り替えなどの修繕費を請求されなかったのは良かったが、清掃代の2万6000円は「高い」と感じた。
  新築のわが家(延べ床面積約36坪)のクリーニング代は約3万5600円(税別)。2月中旬、わが家の清掃作業が行われた際に、業者にアパートの間取りや広さを伝えて料金を聞いたところ、「汚れ方にもよるが、1万円から1万5000円」と聞いていた。
  アパート退去の1カ月前に、管理会社に引き渡し日を電話で伝え、敷金返金についても尋ねた。同社は「最低でもルームクリーニング代2万6000円は負担してもらう決まり。そちらが業者を入れるのは自由だ、うちの業者がその仕上がりを見て、不十分ならやり直す」と回答した。
  管理会社側の清掃業者が、半値近い価格の同業者の仕事を認めるとは思えない。認めれば、高い価格設定をしている自らの存在を否定することになりかねないからだ。
  退去時には入居者も部屋を掃除する。そもそも部屋の清掃代を払う必要があるのか疑問だが、賃貸契約書には退去時のクリーニング代負担が記載されている。結局、弱い立場の消費者としては、管理会社の言う通りにするしか方法がなかった。
  同社は、敷金残金と日割り返金家賃を4月下旬に振り込んだが、振り込み手数料525円も差し引いていた。

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