44・深夜まで引っ越し作業 掲載日2005/5/14
2階へ荷物を運ぶ作業員
 わが家の引き渡しを午前に終えると、息をつく暇もなく、五年間住んだアパートからの引っ越しを行った。荷物の運搬、新居での荷ほどきと作業は深夜まで続いた。最後は、新居で初の入浴。疲れ切った体を湯に沈めて「あ〜、極楽、極楽」。自分たちの城での新生活が始まった。
  引っ越し業者は、事前に4社から見積もりを取り、3万9900円を提示したA社に依頼した。価格が安くて不安もあったが、仕事はしっかりしていて、業者選びは成功だった。
  見積もり料金に含まれる運搬品目は、学習机やテーブル、冷蔵庫など大きな家財と布団、段ボール30箱分。これで運びきれないものは、大胆に処分しようと、夫婦の間で確認していた。
  しかし、荷物の整理を始めると、予想以上に家財が多い。普段は全く使わない物でも「まだ使えそう」という気持ちになって捨てられない。段ボールに詰め込めなかった荷物は、自分たちで運ぶ羽目になった。
  当日は、A社から3人の作業員がやって来た。手際よく、アパートの荷物をトラックへ運び込んだが、洗濯機が残ってしまった。見積もり時のチェック漏れで運搬品目に入っていなかった。作業員に「何とかなりませんか」とお願いしたところ、追加料金なしで引き受けてくれた。
  トラックが新居に着くと、3人は突然、新品の白い靴下を出して「靴下を履き替えさせてもらいます」と宣言。あっけにとられていると、新築の引っ越しでは部屋を汚さないように新品の靴下を使う決まりになっていると説明した。
  荷物搬入前に、床や階段、ドア周りに傷がつかないようにシートを張り、荷物をどの部屋へ運ぶのか確認。その際、妻が小学生のころから使ってきた学習机が二階書斎に入らないかもしれないと指摘され、妻が困惑する場面もあった。結局、なんとか入れることができ、ホッとした。
  業者の作業は午後4時半に終了。作業員は、最後に通販のカタログを数冊手渡し、丁寧なあいさつをして帰っていった。
  この後、夫婦でアパートに残った荷物の運搬、隣近所へのあいさつ回り、荷ほどきなどの作業を続けた。新居初日は、段ボールと荷物の山の中で、眠りについた。

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