42・効果てきめん現場検査 掲載日2005/4/30
床下点検口をチェックする検査員
 わが家が完成した3月上旬、県建設技術センター(前橋市)による最終検査(4回目)が行われた。家全体をチェックした一級建築士の検査員から「特に問題なし。木で造った本物の家ですね」と評価され、私はこれまでの苦労が無駄ではなかったと感慨深い気持ちになった。
  どうしたら欠陥住宅を防げるか。これが家づくりの最大の課題だった。まず信頼できる業者を選ぶこと。さらに、第三者機関による検査が重要と考え、家の性能を等級付けして検査する「住宅性能表示制度」を利用した。この制度を理解してくれる業者探しに苦労したことは、この連載で紹介した。
  検査の効果はてきめんだった。第1回検査(昨年7月)で、検査員は基礎鉄筋の地面からの距離が短いことを指摘。第2回検査(同10月)では、壁の強度を出す筋違いが1階部分に1カ所足りないことが判明した。
  今年1月の第3回検査は、内壁の施工状態などを検査。壁耐力の算定方法の違いが指摘された。
  施工では、各職人が「検査があるから」と意識して丁寧に工事を実施していた。釘(くぎ)も使う種類や打つ間隔が決まっていて、現場監督のSさんが時々、メジャーで確認していた。
  4回目の最終検査時には、同センターが建築基準法に基づく完成検査も併せて実施。両検査とも特に問題点はなかった。
  各検査で指摘された点は、工務店側がすぐに改善した。検査を受けていなかったら、問題点が残されたままの状態で、完成していただろう。
  施工途中での工事の不備や欠陥は、完成時の検査で発見することが難しいことを考えると、4回の現場検査を行う同制度は、私の家づくりに大いに役立った。現時点で、私が目的とした欠陥防止は達成できたのではないかと思う。
  同センターが2004年度に住宅性能表示制度の検査(建設評価)を実施した戸建て住宅の件数は56件で、前年度の7件に比べて大幅に増えている。

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