41・完成見学会にドキドキ 掲載日2005/4/23
わが家で行われた完成見学会
 「工務店に『完成見学会をさせてほしい』と頼まれたらどうしよう」。わが家の完成が近づくと、新築住宅を一般に公開する見学会のことが夫婦の間で話題に上った。
  他人に家を見られるのは、プライバシーが暴かれるようで気乗りがしない。防犯的にも問題がある。一方、自分たちも、工務店が建てた別の家の見学会に何度も参加し、家づくりの参考にさせてもらった。頼まれたら断りにくい。迷っていた。
  そんな時、工務店から「見学会に協力してくれたら、下駄箱をプレゼントする」と提案があった。下駄箱は、当初の見積もりにあったが、価格が高くて断念した経緯がある。
  現金なもので、私と妻はこの交換条件をすぐに受け入れた。見学会は工務店の宣伝になるのだから、ギブ・アンド・テークという訳だ。しかし、見ず知らずの人に家を見せることには抵抗があり、工務店に家づくりの相談をしていて素姓が明らかな人に限定した見学会にしてもらった。
  実施に見学会が行われたのは3月上旬の週末。2日間で15組の家族や夫婦がわが家を訪れた。当初は気乗りしなかった見学会だが、見せるとなると、来場者の反応がとても気になる。私と妻は2日目に会場入りして、ドキドキしながら来場者の様子をうかがった。
  「すてきな家ですね」と話してくれた人もいて、おおかたの来場者には好評な様子。私たちが手掛けた珪藻土(けいそうど)の塗り壁も、興味深そうに見ていた。子供は吹き抜けのキャットウオーク(細い通路)が気に入ったらしく、何度も渡って遊んでいた。妻は、ある来場者から「この工務店にした決め手は?」と質問され、返答に困まったという。
  目を輝かせながら家の隅々を見て回る人、工務店の説明に真剣な表情で耳を傾ける人…。来場者の姿が、工務店探しに奔走していたころの私たちに重なった。最初からもっと積極的に見学会を受け入れて、来場者と情報交換できる場を持てればよかったと思っている。

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