|
壁に珪藻土を塗る妻 |
施主施工の第2弾として、壁の珪藻土(けいそうど)塗りを2月中旬に3日間にわたって行った。今回はかなりてこずったものの、その分、楽しさと充実感を味わうことができた。
珪藻土を塗ったのは、1階のリビング、和室、玄関と2階の寝室。現場監督のSさんの計らいで、初日に左官職人の指導を受けることができた。Sさんは「壁塗りをしたいという施主が増えると思うので、自分も塗り方を覚えたい」と前向きで、珪藻土を載せるパレットも木で作ってくれた。
作業には、塗装の時と同様に妻の両親らが助っ人として駆け付けた。中でも義父は「一度でいいから左官をしてみたかった」と話し、調子が出てくると「前世は職人だった」と冗談も出た。
工事手順は、大きな容器に適量の水を入れ、次に珪藻土を投入。電動かくはん機で塊がなくなるまで5分程度混ぜ、3分ほど置いてなじませる。こねた珪藻土をパレットに取り、こてで壁に塗り広げる。事前に壁枠などにテープを張り、珪藻土が付かないようにする。
壁塗り本番は、プロの手本を見ながら挑戦したが、すぐにつまずいた。珪藻土を壁に押し付けられず、下に落としてしまうのだ。職人は「こて返し」という技を使っているという。
ここをやっとクリアしても塗り方が難しい。私は薄く塗ろうとしてザラザラと音が出てしまったが、職人は「石が転ぶと薄過ぎる。素人は厚めに塗った方がいい」とアドバイスしてくれた。
これぞ“奮戦記”という試行錯誤の末、素人なりに左官作業を習得。ふと周りを見ると、職人の指導を受けていない義父母らも、独自に工夫して上手に塗っていた。一時は総勢8人の素人がわが家の壁をキャンバスに「楽しいね」と言いながら珪藻土を塗った。だから、わが家には、思い出に残るいろいろな表情の壁ができた。
今回の労働による建築費削減額は約15万円。こて、マスキングテープなどの購入に約7000円、電動かくはん機のレンタルに6000円の経費がかかった。 |