36・妻の主導で塗装工事 掲載日2005/3/19
妻の家族も応援に駆け付けた塗装工事
 建築費削減と家づくりへの参加を目的に、妻が「私がやります」と手を挙げた屋内木部の塗装工事は、昨年末から今年2月下旬にかけて行われた。妻は自分で言い出しただけに、いつになく積極的。現場では“職人兼現場監督”として活躍した。
  妻は夫婦2人だけでは心細いと思ったのか、実家の両親に応援を要請。「学生時代にペンキ屋でアルバイトをしたことがある」という義母が、妻の妹たちを引き連れて駆け付けてくれた。
  事前に妻が塗装職人から塗り方の手ほどきを受けていたので、現場では妻の指示で作業を実施。ぞうきんで塗布面をふき、はけで塗装、数分したら乾布でふいて塗りむらをなくす―という作業を繰り返した。
  クロスを張る部分や窓枠に塗料が付着すると、クロスが後ではがれたり、窓枠が変色する可能性があるということで、マスキングテープを張って対応した。
  作業日は延べ9日に及んだ。地道な作業の連続だったが、慣れてくると、効率のいい塗り方を覚え、会話をしながら作業を楽しむ余裕もできた。最後になった床の塗装では、屈んだ姿勢で作業するため、私は腰を痛めてしまい、そこからは死に物狂いの作業だった。
  今回の工事を通して、ものづくりの大変さ、楽しさを肌で感じることができ、貴重な体験となった。家の隅々まで自分たちの手が入り、真新しい建物に魂をふき込むことができたような気がする。
  仕上がりも、大工のTさんから「うまく塗れたね」と褒められ、妻は「私たちの手でやって本当によかった」と喜んでいた。そんな妻の笑顔を見て、求めていた“いい家”に一歩近づけたように思う。
  使った塗料は、木酢液、亜麻仁油、ヒバ油などの自然素材を原料にした水性塗料で、工務店が用意(10リットル税別3万5100円)。はけは化学繊維製を指定され、サイズの異なる6本(1本数百円)をホームセンターで購入。乾布は、古い下着を活用した。
  工務店によると、今回の働きで節約した建築費は約17万3000円。

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