29・塀の共同設置は断念 掲載日2005/1/29
わが家の敷地内に造った塀のコンクリート基礎
 土地購入時の不動産業者とのトラブルでは、境界に関連する問題もあった。このため家の工事が始まってから、隣家との間に設ける塀をどうするかは、夫婦の間で大きな課題となった。
  境界線上に塀を設ける場合は、隣家との協議が必要となる。境界問題は、国で言えば領土問題と同じで重要なことだ。話がこじれたりすれば、今後の近隣関係に影響してくる。
  わが家で塀設置が必要なのは、敷地の北側と東側の合わせて約28メートル。両側とも北の区画に住む隣家の土地と接している。この隣家は、私たちと同じ時期に土地を購入し、すでに新築して生活していた。
  まだ塀を造っていなかったので、私たちの新築を待ってくれているのか、それとも塀を必要ないと思っているのか、とにかく隣家の意向を確かめなければならない。
  隣家へ相談に行く前に十分な準備が必要と考え、本などでいろいろ調べた。塀に関しては、民法に「隣人に対して共同の費用をもって境界線上に塀や柵さくの設置を申し入れることができ、隣人はこれを拒むことができない」という規定があることを知った。
  共同設置の基本となるのは安価な板塀や竹の柵さくなどで、もっと高価な塀を造りたい場合は、希望する方がその差額を負担する、という説明もあった。設置費用がどれくらいかかるのかも調べた。外構工事を依頼する予定の造園会社に標準的なブロック塀の見積もりを3種類作成してもらった。価格は税別で約63万―89万円だった。
  準備万端整えて、私と妻は緊張しながら隣家を訪ね、塀の設置について考えを聞いた。結局、隣家には塀を設置する考えのないことが分かり、私と妻は共同設置を断念。わが家の敷地内に塀を設けることにした。
  実は2人とも、内心ではその方がいいと思っていた。塀を共有したり、境界線上に設ければ、いろいろ制約も出てくる。自分たちで気に入ったデザインの塀を造り、花を飾ったりして自由に利用できるからだ。

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