28・意思の疎通欠き失敗も 掲載日2005/1/22
真壁にしたリビングの柱。節や背割りが入っている
 わが家の家づくりでは、工務店とのコミュニケーション不足から失敗したり、「もっとこうしておけばよかった」と反省することも多い。
  失敗例では、第21回で紹介した木材加工がある。担当建築士から機械加工のプレカットでも大工の手刻みでも価格は同じと聞いたので、私は「手刻みでお願いします」と言ったはずだったが、工務店はプレカットで工程を組んでいた。その後、手刻みに変更してもらったが、上棟が1カ月近く遅れてしまった。
  壁の加工方法も同様。壁には柱を見せる真壁と見せない大壁がある。私は本県産の杉柱をこだわって使ったので、来客に「これが群馬の杉だよ」と見せたかったし、色など今後の変化も見たかった。工務店からどちらの壁にするか尋ねられたら「真壁」と答えるつもりだった。
  しかし、工務店は「県産材は節が多い」などの理由から、見せる柱としては不向きと考え、大壁で設計、加工を進めていた。担当建築士から「大壁にする」と伝えられた時、私は真壁を希望したが、工務店は「見栄えが悪い」と難色を示した。
  夫婦で「見栄えは気にしません」と訴えて、何とかリビングを真壁にしてもらうことになった。工務店は加工済みの柱の中からできるだけ節のないものを選び直してリビングに使ってくれた。柱の4面には深さ1センチ程度の背割り(乾燥割れを防ぐため事前に入れる割れ目)も入っている。後で知ったが、真壁は、大壁に比べて手間がかかるという。
  第25回で書いたユニットバス選びでも、コミュニケーション不足から誤解を招いた。工務店が提案した製品について、私はメーカーのショールーム係員の説明からアパート用と勘違いしていた。工務店の社長から「れっきとした戸建て用」と指摘されて誤解と分かったが、最初に提案された段階で双方がしっかり確認し合えば良かったのだ。
  住宅では、使う建材や仕様など確認事項が非常に多い。施主も気を付ける必要があるが、業者側にはプロとして消費者に丁寧な説明をお願いしたい。

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