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構造材の外側に張られたボード状の断熱材 |
私が施工業者探しでいろいろな会社を回っていて気になったのが、他社や、自社で採用していない工法、建材に対する批判だった。中でも充てん断熱(内断熱)か外張り断熱(外断熱)か、断熱方法をめぐる対立が最も顕著だった。
充てん断熱は壁にグラスウールなどの断熱材を詰め込む方法で、従来から広く採用されている。外張り断熱は構造材の外側から断熱材で家をすっぽり囲む方法で、私たち夫婦が家づくりを始めた2000年当時、「理想的な断熱」と宣伝されてブームになっていた。
私は寒い北毛地域で育ったせいか、断熱について強い関心があった。施工業者探しの際には必ず断熱方法について聞いていたが、業者によって説明が異なり、詳しく聞けば聞くほど分からなくなった。
充てん断熱を手掛ける業者は「壁が厚くなるから外装材の取り付けが難しい」「シロアリ食害が心配」「工費が高い」などと外張り断熱の欠点をあげつらい、外張り断熱を採用する業者は「内部結露が発生しやすい」「気密工事のバラツキがある」などと充てん断熱を批判していた。
結局、断熱方法や断熱材にはそれぞれ一長一短あり、施主の生活や考え方、予算などによって決めるしかない。わが家は最終的に内部結露が発生しにくい仕組みの外張り断熱を選んだ。
断熱材は、フェノールフォームという発泡プラスチック系にした。工務店からは、性能の高い別の断熱材も提案されたが、火災時に有毒ガスを発生するので断った。価格(材工とも、税別)は1平方メートル当たり外壁用(厚さ40ミリ)2280円、屋根用(同50ミリ)3060円だった。基礎断熱には、シロアリ対策で硬いガラス発泡断熱材を使った。
断熱性(温熱環境)は、わが家で採用した住宅の性能を等級付けする制度で、最高等級「4」を取得。この等級は、国が定めた次世代省エネルギー基準相当の性能を確保している。 |