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設置前の浴槽。外側は青い断熱材で覆われていた |
「なからいい風呂(ふろ)だいねぇ」。建築中のわが家に11月上旬に設置されたユニットバスを見た大工のTさんから上州弁でお褒めの言葉をいただいた。
Tさんは、自宅に4畳半の広い浴室を造り、1日に何度もヒノキ風呂に入るという風呂好き。しかも数多くの家を建ててきた大工のお墨付きをもらい、自分の選択が間違っていなかったと自信を持った。
選んだのはメーカーの上級品。浴室は一般より広い1.25坪タイプで、床材は磁器タイルを使用、浴槽、浴室とも断熱材で包まれている。設置工事は2日間かかり、工事担当者は「普通の製品は1日工事だが、この製品は手間が多く、時間がかかる」と説明した。
バス選びも紆余(うよ)曲折があった。最初に工務店が提案したのはN社製。どんな製品なのか確かめようと、夫婦で高崎市にあるN社ショールームを訪ねた。しかし、品番を頼りに探したが店内には見当たらない。
受け付けで尋ねると、係員は「ちょっとお待ちください」と事務所の中へ。待つこと約3分。「これはアパートなどに出している製品ですけど…」とカタログを差し出した。その中に探していた製品があった。この時、一般向けのカタログには載らない製品があることを知った。
私の中では「アパート=寒い風呂」という図式が出来上がっている。「これは工務店任せにできない」と、ショールーム回りが始まった。そこで第13回で書いた通り、表示価格と実勢価格が大きく懸け離れた業界の仕組みに振り回された。
最終的にはシステムキッチンと同じメーカーの製品を選んだ。妻がまず20年以上のロングセラーというキッチンを気に入った。このキッチンが安かったため、私は「その分、風呂は良いものに」とお願いすると、妻は即座に了解。妻もアパートの風呂の寒さが身にこたえていたのだ。
わが家のユニットバスの価格は約81万円(カタログ価格の28%引き、税別)、取り付け費は約11万7000円(同)。 |