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気温30度を超す暑さの中で行われた生コンの打設作業 |
記録的な猛暑が続いた今夏、基礎の生コンクリート(生コン)打設を行った。コンクリートの品質は打設時の気候に左右され、特に高温となる夏場は「暑中コンクリート」、凍結が心配な冬場は「寒中コンクリート」と呼ばれて、特別な対策が必要だという。わが家の対策は大丈夫か、また心配の種が出てきた。
調べると、平均気温が25度を超えるような暑さでは、発熱を伴うセメントの化学反応が促進され、コンクリート表面からの水分蒸発が増加。ひび割れが発生したり、長期強度、耐久性が低下するという。
今夏がまさにそうだった。工務店がとった対策は、コンクリートに普通セメントではなく、発熱が少ない高炉セメントを使用することだった。
高炉セメントは、高炉で鉄を生産する際に出る副産物の微粉末とセメントを混合した製品。生コン会社によると、公共土木工事で使われているが、短期強度が出ないため、早く基礎を造りたい住宅現場では、業者が使いたがらないという。
生コン打設日(8月2日)は晴れ。午後1時の気温は31度、生コン温度は30度だった。工事中に生コンに触ってみると、温度は体温よりやや低い感じ。熱くなっていなかったので安心した。
工事担当者によると、通常、夏場の打設では、作業中に生コンがどんどん乾いてきてしまい、追われるように作業していたという。わが家の現場は、十分な湿潤状態を保ち、順調に作業が進んだ。「このままじわじわ固まっていったら最高ですよ」と担当者が話してくれた。
打設後は、コンクリートが乾燥しないように業者が時々、散水しながら養生。1週間後に型枠が外され、白くて立派な基礎が現れた。感動の一瞬だった。
コンクリートは1立方メートル当たり1万9200円(消費税別)。 |