19・生コン検査で欠陥防ぐ 掲載日2004/11/14
現場で行った生コンの品質検査(左から空気量測定、スランプ試験、テストピース)
 家を支える重要な基礎として、私はコンクリートに注目していた。欠陥住宅を扱ったテレビ番組で、男性がミキサー車の上から生コンクリート(生コン)に水を加えるシーンを見たからだ。番組では、水を加えると施工しやすくなるが、強度が落ちると解説していた。
  県内の生コン会社に聞いたところ、「調合後の加水はコンクリートの強度や耐久性に悪影響を及ぼすので、絶対にやってはならない行為」と強調した。そして「心配ならJIS(日本工業規格)工場の専門家が2万円前後の費用で品質試験をしてくれる」とアドバイスしてくれた。
  私は工務店にこの会社で聞いた内容や欠陥住宅への懸念を伝え、生コンの品質検査をお願いした。現場監督は「(生コンへの加水について)最近はほとんどないと思いますよ。でも私もある分譲地の現場で見たことがあります」と話してくれた。
  手抜き工事でコンクリート強度が低くなっても、おそらく大地震や地盤沈下のような重大事態が起こらない限り、手抜きの事実は発覚しない。だから手抜きをする業者もいるのだろう。
  わが家の生コン打設は8月2日に行われた。生コンは現場から車で15分ほどの工場から搬送。工場のコンクリート技師が現場に来て品質検査を行った。
  検査は、生コンの硬さを測るスランプ試験と、生コン内に含まれる空気量、塩化物含有量の測定を実施。4週間後の強度を測る試験体(テストピース)も採取した。結果はすべて基準をクリアして合格だった。
  同技師によると、生コン検査は公共工事では一般的だが、普通の住宅の場合は少ないという。
  工務店でも初めての経験となり、社長をはじめ、担当建築士や現場監督らも真剣な面持ちで検査の様子を見守った。終了後に「今回はとても勉強になった」と言ってもらえたのが、とてもうれしかった。
  同社の検査料(消費税別)は、スランプ値、空気量、強度試験がセットで1万6000円、塩化物検査2200円。県建設技術センターの強度試験は、試験体3本で5100円(同)だった。 

前ページへ 次ページへ