17・安全性の大切さ再認識 火打ち材や金物で補強 掲載日2004/10/31
斜めに入れた筋違いとその接合部を補強する金具
 23日に発生し多くの被害をもたらした新潟県中越地震では、比較的地盤が安定しているとされる本県でも高崎市などで震度5弱を記録。地震の恐ろしさをあらためて思い知らされた。
  今回の地震では、県内でも住宅などの一部損壊が数百件あった。私は建築中のわが家のことがとても心配だったが、妻は「(今住んでいる)この木造アパートが無事なのだから、あの家は大丈夫」と自信たっぷり。
  実際に現場を見てみると、すでに壁の筋違いや火打ち材、補強金物類の取り付けも終わっており、被害はなかった。柱や梁はりで家の構造体を組み立てる「建て方」の直後に地震にあっていたら、無傷ではなかった思う。命を守る家の安全性を確保することは非常に重要だということを再認識した。
  万一、建築中の家が地震で損害を受けたら、どうなるのか。工務店に聞いみた。
  担当建築士は「火災や事故をカバーする建設工事保険という保険に入っているが、地震被害は保険の適用外。損害は原則的に施主に負担してもらうことになる。工務店側が必要な管理を怠っていたなどの理由がある場合には、双方で協議することになるだろう」と説明した。建て方直後だったら、やはり損壊した可能性があったという。
  同工務店は今回の地震の後、建築中の現場のほか、過去に建てた家も含めて被害の有無を総点検した。その結果、1件も損壊などの被害がなかったという。
  わが家では、住宅性能を等級付けする制度を利用。耐震性では「数百年に1度発生するレベルの大規模地震でも倒壊しない」最高等級3の仕様になるように各工事が進められている。
  「将来に備える」つもりで高い耐震性能にしたが、地震がより現実味を帯びてきたことで、「地震に強い家にして良かった」とつくづく思う。
  わが家の耐震対策は、前回までに紹介した地盤補強、鉄筋の多い基礎のほか、建築基準法では耐力を求められていない壁(窓のある壁など)も強化。2階床の下地材を12ミリと厚くして、水平の力にも対応し、構造全体の強度を高めている。 

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