16・大地震にも強い仕様に 基礎に鉄筋多く使用 掲載日2004/10/24
検査員の指摘で、15センチピッチの鉄筋の下に入れたサイコロを置き換える工事業者
 地盤の補強工事終了後の今年7月中旬、わが家は本格着工した。基礎の配筋工事が始まると、工事業者は「普通はこんなに細かく鉄筋を組まないので、作業が大変」と言った。
  理由を聞いてみると、鉄筋の間隔は30センチの現場が多いが、この工務店は通常それよりも狭く、20センチにしているという。これに対してわが家の場合はそれよりもさらに狭い15センチになっていた。太さも通常より太い直径13ミリの鉄筋を使用しており、通常の家より鉄筋を多く使って頑強な造りになっているという。
  この話を聞いて、住宅性能を等級付けする制度を利用して良かったと、初めて実感した。
  わが家の基礎は、立ち上がり部分とベース部分全面を鉄筋コンクリートにする「べた基礎」を採用。構造の性能評価は「数百年に一度発生する地震の1.5倍の力でも崩壊などしない」最高等級3の仕様となっている。
  配筋工事終了後、同制度による初の現場検査(建設評価)が行われた。コンクリートを流し込む前に、重要な鉄筋部分が設計通りに施工されているかを確認するためだ。
  検査員がチェックしたところ、鉄筋を地面から5センチの位置に組んでいることが判明。検査員から「建築基準法では6センチ以上離すと定めている」と修正を求められた。
  工務店側はその場で、鉄筋の下に入れて高さを調整するスペーサーブロック(通称サイコロ)を6センチブロックに置き換えて対応した。工事業者は土の部分に防湿シートを張っていたので、「土と縁を切ったから大丈夫だと思った」と話していた。
  プロでも勘違いする工事。こんなことは素人ではとても見抜けないだろう。第三者機関による検査の重要性を痛感した場面だった。
  わが家の基礎に使った鉄筋の総重量は1140キロ(1キロ140円)。このうち300キロ分は、通常より多く使った分として、追加出費となった。 

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