15・地盤補強で不安を解消 費用かかっても対応を 掲載日2004/10/17
地盤に33カ所の穴を開けてコンクリートで柱体を造った補強工事
 「地盤が弱く、補強工事が必要です」。工務店から地盤調査の報告を受けた時、私は少しホッとした。地盤の補強や改良工事には費用もかかる。普通なら「地盤は異常なし」という結果を喜ぶと思うが、私の場合は逆だった。
  地盤調査をしてもらうのは今回が初めてではない。2002年春、土地を購入した直後にも別の住宅会社(契約しその後解約)が実施して、その時の結果がずっと心に引っかかっていたからだ。
  その報告書には「地盤表面より1・75メートル付近まで軟らかい地盤が見受けられる」と記載され、外壁やブロック塀に亀裂の入った隣家の写真も添えてあった。
  「基礎や外壁に亀裂が入る」「ドアや障子などが開閉できない」「床に置いた物が転がる」―。これらはテレビ番組などでよく取り上げる典型的な欠陥住宅の事例で、地盤沈下が主な原因とされる。
  「これは大変だ」と思っていたら、地盤調査をした会社は「特別な処置は必要ない。基礎は布基礎で大丈夫」と説明した。
  結局、この会社で家を建てなかったので、そのままになってしまったが、心の中にもやもやは残った。それが今回、改めて実施した調査で「補強工事が必要」という結果が出て、「やはり」と納得できたのだ。
  地盤は家を一番下で支える最重要部分。地盤が弱ければ、その上にどんなに頑丈な基礎や強い構造体、立派な家を築いても、まったく意味がない。家を建てる前に地盤を調べておかないと、将来、家が傾いてしまう可能性もある。
  費用はかかっても、地盤については、しっかりした対応をしておきたかった。だから、むしろ補強工事を実施したことで、将来の不安が解消できて良かったと思う。
  今回の調査で分かったわが家の地盤状況は「1.75メートルまでは不安定な粘性土層、以深は安定した礫れき質土層が堆積。長期安定性を考慮し、補強対策が望ましい」だった。
  工務店が提案した「乾式改良柱体工法」で補強工事が行われ、費用は31万5000円だった。地盤調査の費用は数万円というが、わが家の場合は請求されなかった。 

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