14・地鎮祭に不安と緊張 土地の安定、工事の安全祈る 掲載日2004/10/10
野菜、果物、スルメイカ、塩、コメ、酒などを供えた祭壇
 契約が終わると、いよいよ着工だ。その前に建築地で地鎮祭(地祭り)を行う。施主として緊張しながら儀式に臨んだ。「これからが本番。いい家にしなくては」という思いもひしひしとわいてきた。
 地鎮祭を行ったのは、6月24日(たまたま私の39歳の誕生日)。敷地内では、前日に工務店が住宅の建つ範囲を地面上にテープを張って示し(地縄張り)、その中に細い竹としめ縄で式場を用意してくれていた。
 神事を執り行うのは、初めてのこと。何をどうしたらいいのかまったく分からない。工務店からは「神社側がすべてやってくれるので、当日は時間の少し前に現地に来てください」と言われていた。が、施主としてちゃんとできるのか、不安だった。
 当日は、工務店が依頼してくれた前橋市内の神社から宮司と補助の女性が来て、祭壇を組み、飾り付けた。午前10時半の時間になると、宮司に促されて、祭壇の前に参加者が整列した。
 参加したのは、施主側から私たち夫婦と妻の両親ら7人、工務店側から担当建築士、現場監督の2人の計11人。
 神事は全体で30分程度かかり、宮司がその都度、必要な指示をしてくれたので、本当に何も知らなくてもできてしまった。私は施主として、「刈初(かりぞめ)の儀」を任された。
 30センチほどに盛った砂の山に突き刺した草の束を左手で持ち、右手に持った木製のかまで3回、草を刈るしぐさをした。この儀式は、「エイッ、エイッ、エイッ」と発声しながら行うが、これがなんとも照れくさい。
 宮司によると、どの土地にも、その土地の神がいる。地鎮祭はその神を祭って工事の報告をし、土地の永遠の安定と工事の安全を祈願するのが目的という。
 同神社は、地鎮祭を年間約800件も行っているそうで、平日の大安だったこの日は、わが家を含め8件を執り行ったという。地鎮祭終了後、「初穂料」と書いた祝い袋に3万円を入れて、宮司に手渡した。  

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