11・身の丈に合った予算 決断したら迷わずに 掲載日2004/09/19
現在、基礎まで完成したわが家
 「間違いなく“安くていい家”はできます。当社はそんな家づくりを行っていると自負しています」。この連載で住宅の価格について、私が悩んでいると書いたところ、建設業者のKさん(新田町)から、お便りをいただいた。  Kさんは「多くの方は自分が借りられる金額をほとんど住宅建設につぎ込みます。なぜなら、住宅会社の営業マンがお客さんに最初に聞く質問は『年収はいくらですか?』だからです。だから日本の住宅は高くなる」と指摘。「もう少し身の丈に合った暮らしをすることが大切」とアドバイスをいただいた。  そういえば私の場合も、最初に訪ねた住宅会社で、営業マンから年収を尋ねられ、共働きなので夫婦2人の年収を安易に答えてしまった。この後、提案された見積もり額が約3300万円(予算は建物2000万円)だったのも、何か関係がありそうな気がする。  私は、お便りをくれたKさんの会社を訪ねてみた。Kさんは、新築を計画している人に「何のために家を造るのですか」と必ず尋ねているという。そこで必要な機能、要素を考えていく。
 施工では、工程の無駄をなくす、車で40分以上かかる遠い現場は断る―など、いろいろな経費削減の努力をしているという。
 住宅の適正価格について、Kさんは、家族4人で延べ床面積38坪(4LDK)の家を想定すると、「当社の場合は坪35万円が目安。この価格で、生活に必要十分な機能、空間を備えたいい家が実現できる」と話す。それ以上の高額な家は、会社の人件費や広告費、無駄の多い作業などで高くなるか、施主が高いキッチンを入れるなど高級な建材を望んで高くしているケースという。
 わが家の坪単価は56万円余り。「ちょっと高かったですかね」と私が考え込んでいると、Kさんから「決断した後は迷わないで、いい家を造ってください」と激励された。  

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