7・建築費の削減に苦心 「材工分離」型見積もり役立つ 掲載日2004/08/22
わが家の完成予想図
  家のプランづくりでは、建築費の削減に苦心した。こだわりを盛り込んだり、削ったり、悲喜こもごもの作業だった。
  契約した工務店は、人から“高い”と聞いていたので、最後まで候補に挙がらなかった。そこで、まず予算的に建築可能かどうか簡単なプランを作成してもらった。
  延べ床面積約39坪の総2階型住宅の見積もりは2137万円(消費税別)。これなら規模を小さくすれば建築できると思い、引き続き打ち合わせをすることにした。
  内外装の色や仕様、各種設備などを選んだり、キッチンやバスなど設備機器のショールームを回ったり、やっと楽しい家づくりが実現した。広い浴室にしたい(私)、出入り口の上部をアール状にしたい(妻)など、ささやかだが、自分たちなりのこだわりも盛り込み、夢も広がった。
  ところが、完成した“夢”プランは、建物の延べ床面積が約4坪小さくなったにもかかわらず、見積もり額は初回案より約50万円もアップしてしまった。
  義父はいろいろ心配し、「そんなに高い家が必要なのか」と話し、坪単価の安い住宅のチラシが入ってくると、電話で連絡をくれたりもした。娘夫婦を思う親心だが、私には相当なプレッシャーだ。建物2000万円以下は絶対条件だった。
  そこから夢やこだわりを削ぎ落とす作業が始まった。この作業で大いに役立ったのが「材工分離」型の詳細見積もりだった。金額を見ながら、切り詰める項目の取捨選択が判断できた。
  床材は国産材から外材に、外壁は左官仕上げの素材から金属板(一部杉板張り)に変更。窓もサイズを小さくした。内装の塗装と珪藻土(けいそうど)塗りは自分たちで施工することにして、工費削減を図った。
  食器棚20万円、下駄箱22万円(いずれもパイン材)など、造り付け家具が思いのほか高いことも分かり、完成後に既製品でそろえることにした。
  苦心の末、建物価格は2000万円以下になった。その後、夫婦間で復活折衝があり、最終的には2023万円と目標をやや超えてしまった。

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