6・プランづくりで妻と衝突 夫婦の理解深める 掲載日2004/08/15
  契約した工務店へ最初に相談に行ったのは昨年春だった。以来、プランづくりや予算との調整に手間取り、実際の契約までに1年余りを費やした。
  間取りなどを決めるプランづくりでは、夫婦の考え方の違いも浮き彫りになり、家族の思いを形にする家づくりの難しさを経験した。
  妻と最初に意見がぶつかったのは屋根の傾き。この工務店は一般的な家より傾きが大きい、6寸勾配(31度)を特色とする。妻は「屋根が大きくて圧迫感がある」と反対。私は、太陽光発電の発電効率が南向き傾斜30度で最も良くなることから大賛成だった。
  夫婦間で何度も話し合い、最終的に妻に折れてもらった。
  リビング上に設けた吹き抜けでも意見が分かれた。吹き抜けで空気循環を良くし温度差の少ない住環境にした私に対し、その部分を部屋にした方が光熱費を節約できると訴える妻。これも「吹き抜けをなくすと1、2階に冷暖房機が必要。後でふさぐこともできる」と説き、妻に納得してもらった。
  その代償というわけではないが、書斎、隣接する多目的室、ロフトは妻の専用スペースとなった。
  夫婦で最後まで迷ったのが、実母の居室となる1階の和室の位置。南道路の敷地で、玄関を中央に設けて廊下で和室とリビングを分離するか、玄関を東にして和室とリビングを隣接するか−。
  妻の両親に相談すると、「和室が独立していた方が落ち着く」(義父)「分離すると孤独になる」(義母)と違った意見。自分が母の立場になって想像しても、どちらも「なるほど」と思わせる見解だった。
  2人は方眼紙に何度も間取りを書いて検討。「庭を見たい」という母の希望を実現しながら、両方の意見を生かしたプランを考え出すことができた。
  このほか、天井の高さや窓の位置・大きさ、外壁の種類・色など考え方の違いは予想以上に多かった。この家づくりの作業を通して、夫婦がお互いの考え方をあらためて知り合い、理解を深められたことは大きな収穫となった。

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