2・夢の実現へ踏み出す 同僚のアドバイスが後押し 掲載日2004/07/18
工事は今月12日に本格着工。現在、基礎工事が行われている
  家づくりは、結婚や子供の誕生、入学など人生の節目で考える人が多いと思う。私の場合も2000年4月の結婚が契機となった。前橋市内のアパートで新婚生活を始めたが、夫婦とも当初から「いつか自分の家を持ちたい」というマイホームの夢を持っていた。
  特に私は、沼田市の実家に残した独り暮しの母(72)のことが気掛かりで、もっと暖かい地域に家を建てて母を呼びたいという思いが強かった。妻も、自分の部屋を持って、手芸などの趣味を静かに楽しみたいという希望があった。
  入居していた木造アパート(2LDK)の家賃は月6万4000円。隣接した部屋の生活音が筒抜けで、風呂の湯はすぐ冷めてしまうなど住環境は良くなかった。「早くアパート暮らしから抜け出したい」。そんな思いが日ごとに強くなった。
  ある時、たまたま家を建てたばかりの会社の同僚から「住宅ローン減税が適用になる今年(2000年)がチャンス」とアドバイスされ、にわかに家づくりに取り組む気になった。
  当時の住宅ローン減税の適用期限は12月末までの入居。期限は延長が続いているが、今振り返ると、2人とも、わずか数カ月で家が建てられると思っていた。その後の悪戦苦闘を思うと、「何も知らない幸せ者の2人だったんだな」とおかしくなる。
  母との同居については、結婚直後だったため、妻にはなかなか言い出せなかった。しかし、そんな胸の内を察してか、妻の方から「お母さんと一緒に暮らしましょう」と申し出てくれた。この一言で、夢のマイホームの住人も決まり、具体的な家づくりの第1歩を踏み出すことができた。
  母は「若い時に前橋の洋裁学校に通っていたから懐かしい」と同居を喜んでくれた。
  高齢者と暮らすとなると、火が最も心配。そこで新築計画では、調理器や給湯器、暖房器も含め家庭内の設備をすべて電気で賄うオール電化住宅にした。
  母の居室は、予算などの制約から6畳の和室となったが、「部屋から庭が見たい」という希望はかなえることができた。トイレも和室近くに配置し、手すりも必要な場所に設ける予定だ。

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