1・“必死”に情報収集 土地探しから足掛け4年 掲載日2004/07/11
ようやく地鎮祭にこぎつけた。宮司には「初穂料」3万円を手渡した
  前橋市北部に取得した土地で、念願のマイホーム建築がようやく始まった。土地探しからここに至るまで足掛け4年を費やした。
  周囲の人たちからは「夢のマイホームなんて幸せね」「家づくりは楽しいでしょう」と声を掛られる。しかし、家づくりはそれほど甘くない。まず、土地購入の時から不動産業者とのトラブルで、業者不信に陥った。そうした経験で学んだのは「知らないと損をする世界だ」ということだった。以後、「欠陥住宅にならないようにするにはどうすればいいのか」と“必死”の情報収集に取り組んだ。
  本屋に行けば、住宅関連の本や雑誌が大量に並んでいる。テレビでも豪邸の紹介や欠陥住宅の実態などをよく特集する。インターネットで検索すれば、家づくりの総合サイトから個人の建築日記まで、住宅に関する情報はあふれている。
  しかし実際に群馬で家を建てようと思った時、どの業者が信頼できるのか、腕のいい大工はどうやって見つけるのか、家や建材の適正価格はいくらなのか―といった本当に知りたい情報が意外に少ないことに気付いた。結局は足で集めるしかない。住宅見学会などに毎週のように出掛け、多くの業者に問い掛けた。
  家づくりは奥深く、建材選びひとつとっても、「内断熱・外断熱」「国産材・輸入材」 「無垢(むく)材・集成材」 「手刻み・プレカット」「木材の自然乾燥・人工乾燥」など選択肢は無数にある。それぞれ一長一短あるが、評価は業者によって180度違う場合がある。話を聞けば聞くほど、何が自分の家にいいのか、分からなくなった。
  最終的には、住宅性能を等級付けする制度に着眼し、施工業者を選んだ。そして今年6月24日、地鎮祭を行った。これからが本番と、気を引き締めた。
 
  マイホーム建築は、多くの人にとって一生に一度の大仕事。プロである施工業者に対して、施主は常に専門知識をもたない素人という構図の中で、「丈夫で長持ちし健康に暮らせる家」を実現するためにどうすればいいのか。この連載では、私が施主として実際に体験したこと、感じたことを紹介しながら、家づくりをめぐるさまざまな問題を考えていく。

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