中高年からのスタート(33)前立腺がんとの「共存」 体動かし前向きに 掲載日2009/07/23
「改造するのも好き」という小林さん。4台の自転車を乗り分ける
 「試しに血液検査したら67歳の時、前立腺がんが見つかった。迷いがなかったわけじゃないが、体内でがんが増殖しないホルモン治療を選んだ」
 小林長夫さん(72)=伊勢崎市今泉町=はあっけらかんと自らの病状を語る。しかし今も続ける治療は、同じ病を患った者でなければ理解し合えないつらさの連続だった。
 4週ごとに女性ホルモンを皮下に注射し続けた結果、毛深かった小林さんだが胸毛、わき毛がなくなってしまった。薬の副作用で突然、下半身がやけどしたようにほてる。また、下着がぐっしょりするほどの寝汗をかく。節々が痛む、むずむずするなどの症状が出る人もおり、副作用の個人差は大きい。
 そしてもう一つ。ホルモンの影響で、体重がどうしても増えてしまうのだ。「手術前は70キロだったのに、あっという間に7キロ増えた」と小林さん。このため医師の勧めで自転車を使った減量に取り組んだ。
 自宅近くを流れる広瀬川沿いのサイクリング道がホームグラウンドになった。ほぼ毎日、同市境島村の休憩所まで走った。往復約20キロの行程をできるだけゆっくりと。医師からは「心拍数は毎分150回を絶対超えてはいけない」と忠告されていた。
 速く走らなくても、体重はみるみる減った。一時は67キロ台を記録したが、今は71キロで落ち着いている。うれしい“自転車の副産物”もあった。それまでのひざ痛が消えてしまった。脚の筋力が鍛えられ、立ち上がるのがすごく楽になったのだ。
 「自転車で体を動かしていると、何だか前向きになれる。くよくよしても仕方ない。5年もがんを抑え込み続けられた。がんと闘うため、これからも自転車を続けるよ」

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