中高年からのスタート(15)ツールド草津出場へ 体重増加に不安 掲載日2009/03/12
昨年のツール・ド・草津
 4月の柔らかな日差しの下、急坂の雪の回廊を自力だけで上る―。ツール・ド・草津の季節がやってきた。「今年も出場するんですか」などと声を掛けられ、心が揺れている。  すぱっと出場に踏み切れないのには訳がある。最大の懸念は「体重の増加」だ。40代半ばまでは気力にあふれていた。旧黒保根村、旧利根村経由で赤城山を1周してから出勤、その後に仕事をしても大丈夫だった。体の余分な肉がそぎ落とされ、体重は67キロまで絞ることができた。
 しかし、体力も体形も維持するのは難しい。夜の飲食の機会が増えたり、休日が続くと、ついつい飲みすぎ、食べすぎ。ここ1、2年は、摂取カロリーを自転車通勤だけでは消費できない。体重は70キロを超えてしまった。
 こんな時は仲間を誘って、えい、やぁと出場するのに限る。そう思って利根川の自転車道で出会った中高年ライダーに声を掛けてみた。「平地を走るだけでいいよ」「坂道をわざわざ走るのかい」とはかばかしい返事がもらえない。60代過ぎてヒルクライムレースに挑むのには、大きな決意が必要のようだ。
 出場を予定する「同好の士」Aさん(42)=渋川市=と連絡が取れた。Aさんは2年ほど前から片道10キロの自転車通勤を始めた。それだけでは物足りなく、遠回りして20キロほど走って帰る。休日は80―100キロは走っているという。話を聞いていると、ちょっと前の自分を見ているようだった。
 Aさんは昨年、ツール・ド・草津に初出場。51分台でゴールしたという。絶頂期の私の持ちタイム55分よりも相当速い。大会まであと1カ月。どうあがいてもAさんの背中は見えないかもしれない。それでも、当面の目標ができた。大会までに少しは体重を落とそう。


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