中高年からのスタート(14) パンク事件で団結 声上げて訴えよう 掲載日2009/03/05
1月2日に伊勢崎・島村の休憩所で開かれた「新年会」
 数年前、無謀にもレースに参加したことがある。珍しさだけで参加した初心者の私は、周りから浮いていた。選手らは、メジャー片手にサドルの高さを数ミリ単位で調整。私は「自転車って、そんなに微妙なものなの?」と思いながら見ていた。
 MTBでもロードバイクでも、ハンドルを持つ腕と尻に体重を分散させることが基本。余計な力を抜いて脚を素早く、スムーズに回転させるようにペダルを踏むのがこつ―。多くの自転車マニュアル本には、こんなふうに書かれている。しかし、本を読んだだけでは初心者にはイメージしにくい。本当に自分の踏み方が無駄のない美しいフォームなのか、自転車通勤歴6年の私は、ちっとも確信が持てていない。
 須藤清孝さん(50)=高崎市=はサイクリングディレクターの資格を持つ。自転車歴20数年だが「自分に合ったフォームだと思えるまでには相当年数がかかった。正しいフォームを言葉で説明するのは難しい。個人差もある」。近道は同好の先達に巡り合うこと。県サイクリング協会や店主催の走行会などに参加することを勧める。
 イベントに参加するのも一つの方法だ。昨年11月、グリーンドーム前橋でスキル・シマノの狩野智也選手らを講師に招いた自転車クリニックがあった。プロ選手のきれいなフォームを間近に見られ、質疑応答もあった。
 それでも、自分だけしか頼れない人もいるだろう。自転車店主がこんな方法を教えてくれた。「毎回、5ミリずつサドルの高さ、位置を変え、同じコースを走る。ただし、変えるのは1カ所だけ。調整値と乗り心地、タイムを毎回記録し、繰り返す。遠回りのようだが、これがベストポジションへの近道」という。


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