中高年からのスタート(6) ヘルメット 事故から命守る装備を 掲載日2009/01/08
割れたヘルメットを興味深そうに見る子供たち
 グリーンドーム前橋で昨年11月に開かれた子供向け自転車教室。講師のプロ自転車選手が割れたヘルメットを差し出すごとに「何で」「すごーい」と驚きの声が上がった。
 「自転車で転倒して地面に頭をぶつけるとヘルメットは割れちゃうよ。もし、かぶってなかったら、ぼくの頭が割れてた。その代わりをヘルメットがしてくれたんだよ」とプロ選手は続けた。
 教室ではヘルメット貸し出しもあったが、多くの子供たちは「マイ・ヘルメット」だ。
 講師が「なぜ自転車に乗るときは手袋をしなくちゃいけないか分かるかな」と質問。子供たちは「倒れた時、手をつくとけがをしちゃうから」と明快に答える。当たり前だが、走行していなければ自転車は転ぶように出来ている。「だからヘルメットと手袋が絶対に必要なんだよ」と講師は繰り返した。
 自転車通勤を始めた6年前、ヘルメット姿を見かけることはまれだった。最近、サイクリング道ですれ違う自転車乗りの“着用率”は急上昇。うれしい限りだが、それでも、まだ半数程度だ。
 私は5年前、軽ワゴン車と衝突する事故を体験した。ヘルメットは真っ二つに割れたが、軽い頸椎(けいつい)ねんざで済んだ。その後、私と同じようにヘルメットを割るほどの事故体験を何度か聞いた。結構な頻度でヘルメットが割れるほどの自転車事故は起きている。
 「そんなに速く走らないから」「自分は注意深く走っているから」という声を聞く。しかし、無防備で事故に遭ってからでは取り返しがつかない。時速10キロだって、転ぶことがある。新たに自転車を購入するなら、自転車のグレードを落としてでもヘルメット代金を確保することをお勧めする。


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