中高年からのスタート(7) タイヤ選び 多様なバルブや溝 掲載日2009/01/15
写真上から英式バルブ、米式バルブ、仏式バルブ
 ロードバイクが新品同様だった数年前、乗り出したらすぐにパンクした。補修に取り掛かり、はたと困った。
 チューブは交換できたが、空気がうまく入らないのだ。バルブが仏式で、まず先端のねじを回す必要がある。それをせず、ただポンプ口をバルブに差し込んでいた。タイヤは膨らまず、仕方なく家人に電話して、車で迎えに来てもらった。惨めだった。
 自転車のバルブは、ママチャリに用いられている「英(イリギス)式」が標準―と私は信じて疑わなかった。しかし、マウンテンバイク(MTB)は米国発祥。自動車と同型のバルブを採用、「米式」といわれている。また、ロードバイクは仏式バルブが多い。自転車のバブルには英米仏の3様式がある。
 バルブが違うと、空気入れも違う。英式対応の空気入れしか持っていなかった当時、非常に苦労してMTBの米式バルブに空気を入れた経験がある。3様式のバルブに対応するアジャスター付き空気入れがあることは、後で知った。
 バルブに加え、タイヤ径や幅の単位が違うのにも注意が必要だ。英国、米国では26インチなどインチ表記、フランスはセンチ表記が多い。まぁ、軽乗用車と大型トラックのタイヤが異なるように、自転車もタイヤ径・幅や溝パターンが多種多彩と思ってほしい。ロードバイクやMTB向けにはチューブレスタイヤもある。
 初心者だった私は「タイヤはどれも同じ」と思っていた。しかし、MTBの幅広タイヤで雪の坂道を登った時、あぁタイヤの性能ってこんなに違うんだ―と実感した。少々面倒と思ってもタイヤ選びをおろそかにしないでほしい。恥ずかしがらずに先達や自転車店主に聞こう。なんせ、命を乗せて走るのだから。


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