中高年からのスタート(4) ロードバイク 軽量化進む“高級車” 掲載日2008/12/18
イタリア・コルナゴ社の炭素繊維製ロードバイクに乗る加藤さん
 自転車1台が120万円。軽乗用車なら新車が買える―。加藤孝司さん(74)=伊勢崎市東町=が乗っているロードバイク(ロードレーサー)は“究極”の1台だ。「車の免許は持っていないから、自転車が自分の大事な足」とさりげなく話す。
 ママチャリ(軽快車)なら1万円前後で新車が手に入る。ロードバイクの入門車は、10万円くらいから。高級自転車は何が違うのか。それは車重だ。自転車は、強度を保ちつつ、車体をいかに軽くするかという開発競争でもある。ツールドフランスなどでプロ選手が乗るのと同じモデルは高価だ。ボディーにはゴルフクラブなどにも使われている炭素繊維を使用。1つ1つの部品が軽量化されるように工夫されている。
 加藤さんの自転車は、片手でひょいと持ち上げられた。車重約7キロ。炭素繊維製のホイールは冬場、幅広のため、横風を受けやすいのでアルミ製に履き替える。すると500グラムほど重くなるという。
 加藤さんは66歳から自転車を始めた。高い自転車なら速く走れるだろう―と最初に50万円のロードバイクを買った。しかし、ノロノロの速度でしか走れなかった。それから練習を積み重ね、体力を付けた。以来、雨の降らない日は毎日、70―120キロのサイクリングを続ける。赤城神社や大沼、小沼まで足を延ばし、渋川市を経て自宅へ帰る。
 加藤さんは「ガソリン代もかからないし、車検もないから、軽乗用車よりもずっと維持費が安い」。良いモノを買って長く、大事に使う発想だ。前回登場のMさん(59)=太田市=はクロスバイクで飽き足らず、ロードバイクを最近発注した。自転車の魅力に気づくと一度はロードに乗ってみたくなるようだ。


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