41・ 疲労回復に80キロ走行 「筋トレ」 掲載日2006/8/19
自室のトレーニング器具置きを自作した平野さん

  「筋肉が日々、成長している感じかな。それが楽しくて―」。高崎市浜川町の平野正志さん(39)が、とびきりの笑顔を見せた。たくましい体つきの平野さんが、私の目の前で体脂肪計を握った。体脂肪率7.2%、体重62.5キロのうち、脂肪はわずか4.5キロしかない。
  平野さんが筋トレを始めたのは8年前、当時の体重は65キロあった。「年を取るのは避けられないが、肉体的な老いを遅らせることはできる」と思い、体づくりを思いたったという。
  「筋トレだけしていたのでは、バランスが悪い」とトレーニングに自転車を取り入れた。筋肉と共に心肺機能を鍛えるためだ。仕事を終えて、夕方からトレーニング開始。自室に設けた自作のトレーニング器具でベンチプレスなどを2時間ほど繰り返す。翌日は筋力の疲労回復のため、自転車で70―80キロ走行する。
  平野さんはコストパフォーマンスも重視する。「スポーツジムに通うとお金がかかるでしょ。だから、道具はできる範囲で自作。雑誌や本を読んでトレーニング法を身に付けた」という。平野さんは、父親の鉄工所で働く。自作には最適の環境でもある。
  コスト意識はそれだけではない。「マイカー依存の暮らしは、肥満を招き、生活習慣病を引き起こす。結果として医療費が無駄な出費となっている」と指摘する。
  筋力を増やし、脂肪を減らした結果、平野さんは夏の暑さが何ともなくなった。ただ、冬は脂肪が少ない分、寒く感じるという。それでも、「体を動かせば、筋肉は長い時間、温かさを保つことができる」と苦にしない。
  今の小さな夢は、新しいロードレーサーを買うこと。そして、自転車で行動する生活習慣を続けることで「老い」を止めることだという。


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