| 
|  |  
| めがね橋に立ち寄って記念撮影する小学生 |   梅雨が明けない夏休み。そんな天気にめげず、自転車で東京湾から日本海を目指す小学生たちがいる。子供たちを率いるのは英語塾校長のカール・カウアンさん(38)さん=高崎市=だ。「何か大きなことに挑戦してみよう」と2年前、子供たちに東京から上越市までの自転車の旅を提案。東京湾を出発、日本海まで4泊5日かけて走り通すという企画に、4人の小学生が手を挙げた。また、英語塾を運営するうすい学園(高崎市岩押町、柴崎龍吾代表)が全面的に支援してくれた。
 一行は東京湾・竹芝桟橋を出発、都内の混雑を抜け、国道17号、同18号をメーンルートに埼玉、群馬、長野と抜けて新潟を目指す。1日平均70キロ、5日間で330キロを走る。途中、碓氷峠(標高958メートル)と野尻坂峠(666メートル)を越えなければならない。
 カールさんには、日本の子供たちは、準備されたイベントに参加するばかり、“受け身”に映る。「自分の力だけで、だれの助けを借りず、自らが道を切り開くことが、成長するためには必要だ」と強調する。そんな思いをこの企画に込めた。「自分でペダルをこぐ以外、自転車は進まない。新潟には着かないから」と笑顔で話した。
 子供たちに「達成感」は確かな形で伝わっている。最初に参加した4人のうち、友広幹久君=高崎片岡小6=、茂木尭君=高崎八幡小6=、吉岡昂祐君=玉村南小6=は三度目の挑戦だ。
 「友達ができるので楽しい」「着いた時、やったーという気持ちになるから」「みんなで自転車に乗るのがおもしろい」と3人は喜々として語る。
 今月25日、一行は最初の難所、碓氷峠に差しかかった。坂道に悪戦苦闘しながらも、あちこちに好奇心をそそるものが出現。「あっヘビだ」。「これってヒル?」。そんな声が上がるたび、自転車は停車する。時速10キロの自転車の旅は、にぎやかに進行。27日午後、目的の日本海に着いた。
 |