37・ 気持ち通じ合う同好の士 滞在型レジャー 掲載日2006/7/22
190キロ地点の深浦エードステーション。雄大な風景に、自分の自転車を入れて記念撮影

 佐渡島ロングライドで同宿した瀬古浩平さん(64)から写真入りの手紙をいただいた。民宿前で撮影した記念写真が入っていた。
  同大会の宿、船などの手配はJTBが一手に引き受けた。民宿なら海の幸たっぷり盛りだくさんの夕食付き1泊2食(税別)7000円。単独での申し込みだったので、民宿は相部屋となった。これが、結果的には大変楽しいひとときをもらたしてくれた。
  最近、自転車通勤・通学のことを略して「ジテツー」というらしい。
  私の場合、ジテツーしながら、同好の士に会うことはまれだ。結果、自転車仲間も増えない。まだまだ、県内ではジテツーはマイナーな存在。ジテツーしている人は、心の片隅に“孤独感”を共有しているように思う。そんな思いを持った人が同宿すれば“化学反応”を起こしたように、自転車話に花が咲く。
  大会前夜、民宿での夕食は小宴会に。東京から参加の黒目敏行さんが、ホノルルセンチュリーライドの参加体験を語り始めると、みんなが、うっとりしたような目をして聞き入る。
  フルマラソンから自転車に切り替えたという瀬古さん。「マラソンはせいぜい3時間。走り終われば、みんな三々五々いなくなってしまうが、自転車っていいね。アドバイスをもらえ、気持ちも前向きになった」と感激。あすの完走を誓い、床についた。
  大会終了後、民宿に帰ると夕食は再び小宴会になった。残念ながら、瀬古さんは、100キロ地点でリタイア。「雨で体が冷えきり、どうにもならなかった。マラソンなら小雨は体を適度に冷やしてくれて、好記録に結び付くのに…。自転車では雨具は必需品だね」と振り返った。
  ロングライド大会に限らず、自転車のイベントは滞在型レジャーだと思う。前泊して交流、走り終えて、互いの健闘をたたえ合う。
  「9月のホノルルに向けて練習に励みたい」。瀬古さんは新しい目標を佐渡で見つけたようだ。


前ページへ 次ページへ