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| ロードバイク2台を持つ黒崎さん。この日は、練習用で走っていた |
イタリア製の高級ロードバイクにまたがり黒崎幸雄さん(76)=前橋市古市町=は、利根川沿いのサイクリング道をゆっくり、ゆっくり進む。時速15キロ、自転車散歩と呼ぶのがふさわしい速さだ。
黒崎さんは定年退職した65歳で、市内のアマチュア自転車クラブに加わった。週3回の練習日には、赤城南面を1時間以上走る。最初はチームの列からちぎれて、置いてきぼりだった。しかし、持ち前のがんばりでめきめき力を付け、チームメートから「60代とは思えない」と驚かれるほど脚力を付けた。平地なら時速30キロ超でびゅんびゅん飛ばす。アマチュアのレースにも3年連続で出場した。
体調に異変を感じたのは4年前、72歳の時だった。新潟へのバス旅行帰り、車中で気分が悪くなった。降車すると胸が苦しい。病院へ直行すると、軽い心筋こうそくと糖尿病との合併症と診断され、そのまま入院。足の血管を胸に移植する冠動脈バイパス手術を受けた。
その1年後、社交ダンスの最中、今度は言葉が急に出なくなった。右手も上がらない。脳こうそくだった。幸い、医師の処置が素早かったので、1週間で言葉が戻り、退院できたという。
退院後、黒崎さんは自転車と社交ダンスを再開した。ただし、体と相談しながら、マイペースを常に心掛ける。月1回は検査と投薬のため、通院も続けている。「医師から『驚異的な回復力だね』と驚かれたけど、自転車で鍛えた体力がものをいったと思うんだ」と黒崎さん。いまも毎朝、サイクリング道を25キロ走っている。
黒崎さんが好きな場所は、玉村大橋近くの斎田休憩所。同好の士が集まり、世間話に花が咲くからだ。「体が動く間は、自転車に乗っていたいね。平衡感覚が保て、足腰も鍛えられる。長生きしたいから、自転車に乗って、節制しているんだよ」と笑った。 |