18・自然を確認、重み実感 野生動物と遭遇 掲載日2006/3/4
昨年12月、上野村でニホンジカを射止めたハンターに出会った。日光や奥多摩ではシカの深刻な食害が報告されている

 昨年は日本各地でクマが人里に下りて来て、餌をあさったのがニュースになった。10数年前からサルやイノシシなど、本来は山にすむ動物たちが、人里で畑を荒らす被害が報告されている。出没のニュースを聞くことは多くても、実際に動物を目の当たりにする機会はほとんどなかった。が、自転車で山に入ると、野生動物との“遭遇”が、結構あるのだ。
  自転車の旅で、最初に野生動物と出会ったのは2003年秋の草津白根山。ツール・ド・草津の大会が開かれる有料道路を走っていると、笹深い雑木林のカーブを曲がった途端、カモシカが立っていた。カメラを出す暇もなく、あっという間に姿を消してしまったが、網膜には、びっくりしたようなカモシカの顔が焼きついた。
  マウンテンバイク(MTB)で舗装されていない林道を走るようになった昨年は、動物との遭遇回数が急増。旧黒保根村では昨夏、ニホンジカを3回見た。うち、2回は2週連続という頻度。渡良瀬川沿いのシカは、栃木県日光市周辺から南下したという説があるが、シカが相当増えているのだろう。山中で一人でうなずいてしまった。
  ニホンザルは、碓氷峠、奥日光、大間々、旧利根村など最も多く出会った動物だった。人気のない山中で、ガサガソと物音を立てるので、こちらが驚いてしまう。餌を待ち望んでいるような素振りをみせるサルもいた。
  市街地に近い場所で出会ったのはタヌキだ。高崎市岩鼻町の群馬の森では、体毛の抜けた痛々しいタヌキを見た。犬などがかかる疥かいせん癬がタヌキにも感染したことが原因のようだ。
  クマやイノシシなど、危険度の高い野生動物には、まだ出会っていないが、昨秋に赤城山中の標高800メートル地点で「クマ出没」の看板を見つけた。
  地球の温暖化が遠因なのか。山村の荒廃が誘因なのか。野生動物は、増えているようだ。的確な解答は得られなくも、現状を自分の目で確かめると、事実の重みが伝わってくる。


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