16・50代夫婦マイペースで 地球を旅する 掲載日2006/2/18
夫婦2人でスペイン、バレンシア地方を旅した時の1枚。出会ったサイクリストに撮ってもらった(佐々山さん提供)

 高崎市上中居町の佐々山厚さん(57)と妻、葉子さん(58)は昨年春にタイ、カンボジア、ベトナム2000キロ、秋にはポルトガル、モロッコ、スペイン2000キロを自転車で旅してきた。「体力と元気のあるうちじゃないと、自転車旅行はできないから」とさらりと語る。
  厚さんは東京生まれ。16歳から自転車で国内をサイクリングした。大学時代は北海道を走破。電機メーカーに就職してからも、年1000―2000キロほどの自転車旅行を続けた。勤務先が高崎だったことから同市に居を構えた。
  ところが53歳の時、会社側から早期退職募集がされた。不況により社業が思わしくなく、雇用調整が必要という。「朝7時に家を出て、夜10時にならないと帰らないので、夫は会社人間だと思い込んでいた」と葉子さん。厚さんは、定年後の時間と収入を計算、54歳で退職を決意した。そのときの心境を「迷いは、まったくなかった。これからは、遊ぶことが仕事。やりたいことで気持ちは張り詰めていた」という。
  1993年、40代だった佐々山夫妻は、1週間ほどスイス・チューリヒからドイツ南部まで自転車で400キロ旅した。湖、古城、ビロードのように広がる緑、黒々とした森。国境も、拍子抜けするほど簡単に越えられた。自転車が優遇された道路網。何もかもが新鮮だった。
  荷造り、現地での組み立て、パンクなどの修理は厚さんの仕事だ。一日の走行距離は葉子さんの体力に合わせ約60キロ。時速15キロで4時間ほど。観光をしながら、絶景に足を止めながらの旅だ。
  なぜ、旅をするのか―とたずねると、厚さんは「非日常的な生活っていうのは、わくわくする。それに、地球を1周すると4万キロでしょ。自転車で2カ月走れば、2000キロくらい。地球の表面を目に見えるほど、自分の力で移動できるんだよね。これってすごいことだと思うんだ」。


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