12・ヘルメット 自らの戒めに保存 掲載日2006/1/21
表面はさほど傷が目立たないが、内部はぱっかりと割れているヘルメット。黒い粒のように見えるのはガラス片

 その事故は「サイクリング道なら安全だ」という慢心も一因だった。
  2年前の秋、伊勢崎市の利根川沿いのサイクリング道を私は軽快に走っていた。視界をさえぎるものはなく、まっすぐな道。マウンテンバイク(MTB)を全力で踏み込み、時速25キロは出ていた。
  視界の隅に、軽ワゴン車が見えた。足元が気になり、視線を落としたのが、いけなかった。その一瞬に、車はサイクリング道を横切り、河川敷に下りようとしたのだった。顔を上げると、目の前に車のサイドドア。MTBの前輪が車の側面に垂直に衝突、勢いがついた私の体は、頭からワゴン車の窓に突っ込んだ。
  車のドアは大きくへこみ、ガラスは粉々に―。私はその場に倒れ込んだ。命を救ってくれたのは、ヘルメットだった。まだ、くらくらとした意識の中で、ヘルメットを脱ぐと、ガラス片がいくつも突き刺さっていた。よく見ると、発泡スチロールに大きな亀裂が一つ、走っていた。頸椎(けいつい)ねんざで全治4週間のけが。仕事は1日休んだだけですんだが、私の精神的ショックは大きかった。
  この事故とは別だが、サイクリング道で、脇見をしていて車止めに自転車ごとぶつかったこともあった。車体の重さ14キロ。私の体重を加えると90キロが、時速20キロ超で物体にぶつかると相当な衝撃だ。この時は、背中から路面にたたきつけられた。足を強打。十数日間は痛みが引かなかった。
  自転車に乗るなら、事故を完全に避けることは難しい。特に速度が出ていると、けがの程度も半端ではない。歩行者にけがを負わせてしまう危険もある。万一のために自転車運転者向け保険もある。
  ガラス片が突き刺さったヘルメットは、自らの戒めとして「保存」している。「自分は真剣に自転車に乗っているんだぞ」という決意を示すためにも、事故から身を守るためにも、ヘルメットをかぶることをお勧めする。


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