富岡製糸場3割減 16年度見通し 登録2年、ブーム失速
更新日時:2017年3月4日(土) AM 06:00
群馬県富岡市は3日、市議会総務常任委員会で、2016年度の富岡製糸場の来場者数が前年度比30%減の80万人弱となる見通しを示した。世界文化遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」を構成する各資産の16年度来場者は、下仁田町の荒船風穴(12~3月冬季閉鎖)が31%減の1万3161人にとどまったほか、藤岡市の高山社跡、伊勢崎市の田島弥平旧宅も30~40%減が見込まれ、14年度の登録ブームからの失速が際立ってきた。
16年4月~17年2月の4資産全体の来場者数は31%減の79万3005人だった。荒船風穴以外の減少率をみると、製糸場が30%減(74万4953人)、高山社跡が40%減(2万0526人)、田島弥平旧宅が30%減(1万4365人)となっている。
要因として、「歴史的背景がうまく伝わっていない」(伊勢崎市)、「国内でも新たな世界遺産が誕生し、関心が移り変わっている」(藤岡市)、「秋の天候不順と情報発信不足」(下仁田町)といった声が上がっている。
富岡市の岩井賢太郎市長は世界遺産登録前の13年度が約31万人だったことを引き合いに健闘しているとし、「今秋公開する製糸場の映画など今後も施策を通じて80万人を維持していく」と述べた。
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