「アジアで連携、物語必要」 TOMIOKA世界遺産会議
更新日時:2016年10月31日(月) AM 06:00
◎早大・中川名誉教授 「市民との関わり明確に」
「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界文化遺産登録後の地域づくりを県民と共に考える公開講座「第8回TOMIOKA世界遺産会議」(上毛新聞社主催、群馬大共催)が30日、群馬県前橋市の群馬大荒牧キャンパスで開かれた。建築史家で博物館明治村館長、早稲田大名誉教授の中川武さんが講演し、アジアの世界遺産や国内の他の製糸場と連携して物語や共通の課題を見いだすことが重要だと訴えた。
中川さんは「世界遺産 富岡製糸場と絹産業遺産群を核とした体験と想像のネットワーク」をテーマに語り、富岡製糸場を模した製糸場が中野製糸場(長野県中野市)、室山製糸場(三重県四日市市)など国内8カ所に上ると説明。その上で「富岡と同じような場所を選んで造られており、文明の中心であった富岡の影響といった視点で考えてみてもよいのではないか」と話した。
保存修復に携わるカンボジアやタイ、ミャンマーなどの遺跡には中国やインドの影響が色濃く残っていることにも触れ、「富岡も製糸場と市民がどう関わったのか、現在はどういった意味を持つのかが分かるストーリーを考える事が大切」とした。
カイコによる医薬品や食品添加物の研究開発に取り組む群馬大大学院理工学府教授、武田茂樹さんも講演した。会場では、富岡製糸場開設期に使われた蒸気機関「ブリュナエンジン」の5分の1レプリカが展示・実演され、来場者が興味深そうに眺めていた。
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