【キーウ、モスクワ共同】ロシアとウクライナの和平交渉を巡り、欧州諸国とウクライナが米国に示した提案の詳細が25日、ロイター通信の報道で明らかになった。領土交渉よりも停戦実現が先決と主張し、米国による「強力な安全の保証」を要求する内容。ウクライナに領土譲歩を迫る米国の和平案への配慮がにじむ部分もあるが、依然として両案の開きは大きい。和平交渉の難航は必至。
ウィットコフ米中東担当特使は25日、モスクワでプーチン大統領と会談した。26日にはバチカンでのローマ教皇フランシスコの葬儀に合わせ、トランプ米大統領ら各国首脳が和平問題を協議する可能性がある。
欧州とウクライナの提案は、ロンドンで23日に開かれた会合で米側に示された。
ロシアがウクライナ東・南部4州の大部分を占領し、クリミア半島も併合した領土問題については「完全で無条件の停戦後に協議」すると明記。領土交渉は「現在の支配線に基づいて開始する」とし、ロシア占領地域を事実上承認するとの米和平案に配慮を示した。
24日、ロシア軍によるミサイル攻撃があった現場=ウクライナ・キーウ(共同)